2011年9月22日木曜日

新しい産業構造を目指す根拠

昨年、生物多様性条約COP10が名古屋で開かれ、大きな成果をあげました。その中で、愛知ターゲットの項目4に注目したいと思います。項目4では、これから企業は持続可能な生産、持続可能な消費をしなければいけない。つまり、持続可能なビジネスをしなければいけないとうたわれています。
  それでは、何が持続可能なビジネスなのか? 持続可能なビジネスのためには、やはり持続可能な資源を確保することが必要です。持続可能なパーム油を使う、それで製品をつくるというのは、まさにこれから企業が2020年に向けてなすべきこと、生物多様性条約などで合意されたゴールにも直結する問題です。ところが、多くの企業はまだそれに対する道のりが描けていないというのが懸念するところです。
  さて、最初に紹介したグリーンピースのキャンペーンは、インドネシアのシナルマスグループのパーム油が問題でした。これは1年前のことでしたが、つい先日、シナルマスのパーム油部門が新しい方針を発表しました。これ以上貴重な森林の開発はしません、生物多様性の豊かな、保存価値の高い森林への開発は一切しません、泥炭地の開発はしません。一方、先住民や地域住民の生活を考えることを優先しますという方針を発表したのです。
  このように、この1年間で大きく状況が変わっています。これから先、さまざまなステークホルダーが一緒になって、日本でもこういった問題を早急に解決していく。それを今、実行する時期が来ているのだと思います。